法律とルール

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ニースで連日「貨物船が漁船と衝突したが、貨物船が逃げた」という報道がなされている。漁船が日本船籍であり、貨物船が外国船籍だったからという訳ではないだろうが、貨物船が悪いと一方的に決め付けている報道には理解しがたい。
国際法上は、船が衝突の危険を察知したときは、お互いに右方向へ舵をきって衝突を避けるとしているが、車の法律にもあるように、船がであった角度により優先度が決められている。今回の事故では、漁船の右舷に衝突した後があったので、貨物船のほうに優先権があったと考えるのは明らかだ。
なおかつ、大型船舶は、その大きな慣性力により舵をきっても10分以上進路が変わらない。タンカーや潜水艦においては、巡航速度であれば機関を反転しても30分は船は停止しない。
潜水艦「なだしお」のケースでもそうだが、潜水艦においては船体のほとんどが水中なので、その慣性力はかなり大きいので、迅速な方向転換はほとんど無理である。
私も船舶免許をもっているが、船舶免許保持者のほとんどは、この船舶のもつ、この慣性力について熟知しているので、自船より大きな船舶がきた場合には、海上交通法上は優先権があったとしても、迅速に舵をきることのできる船のほうが避けるのが一般的である。ましてや、自分のほうに優先権がなければ、避けるのが法律的にも当然である。
今回の件は、漁船が舵をきらずにいた。潜水艦なだしおの件では、潜水艦を見物にきて自沈したという話にならない事例だ。
東京湾で航行していて、いつも感じるのは漁船のマナーの悪さだ。都内でタクシーが蛇行運転したり、急制動をかけるのと同様なことが漁船でも行われており、「てめーら、プレジャーボードは邪魔なんだよ」という無法地帯だ。
陸上であれば、あまりにも無謀運転をするタクシーを携帯電話で通報することもできるだろうが、海上では海上保安庁が出動するには、30分以上かかるし、そんなことで逮捕もしてくれない。漁船は、ルールはもちろんのこと、法すら無視することが許されている状態が続いている。
今回の事件は、自ら法をやぶったものが迎える結末をあらわしているだけで、かばう必要は断片もない。

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このページは、mickが2005年10月 2日 20:35に書いたブログ記事です。

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